★財投改革の経済学

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特に郵政民営化のシナリオは、実質的に著者が書いたといわれ、本書でもそれを
認めている。ただ本書の内容は、意外に(?)オーソドックスで、竹中改革の中身を
インサイダーが「本当の数字」を使って明らかにした点で貴重だ。
特に重要なのは、「郵貯の矛盾は90年代の財投改革で解決したので、郵政民営化なんて


ナンセンスだ」という通説に反論している点だ。著者によれば、逆に財投改革によって


郵政民営化は不可避になったのだという。融資部門をもたない郵貯が銀行と競争できたのは、
資金運用部から0.2%の金利上積みという「ミルク」を補給してもらっていたからだ。


これによって財投の資金コストは上がるので、その融資先の特殊法人などは赤字になり、


それを一般会計から補填していた。つまり郵貯がリスクなしで稼ぐ0.2%の利鞘を、
まわりまわって納税者が負担していたのだ。
しかし、この「ミルク」は財投改革で補給されなくなったので、低金利の国債を買うだけの
郵貯が赤字になることは避けられない。融資のノウハウをもっていないから、リスクを


とって高い金利をとることができないのだ。市場で「自主運用」した年金資金運用基金


(旧年金福祉事業団)は、6兆円以上の赤字を出して債務超過になった。郵貯も、
民営化して運用の自由度を高めなければ、長期的には破綻するおそれが強かった。
おもしろいのは、道路公団の民営化の話だ。当時は、道路公団の「内部告発」で、公団は
債務超過だという情報が流れたが、著者はこれをキャッシュフロー・ベースで計算しなおし、
約1.9兆円の資産超過だという。その原因は、世界一高い高速料金だ。つまりここでも、


国民に負担を転嫁することによって道路公団は利益を蓄積し、ファミリー企業にばらまいて
いたわけだ。
もう一つ驚くのは、塩川元財務相が「離れですき焼き」と評した特別会計の実態だ。
財政融資資金特別会計23兆円をはじめ、総額で50兆円近い隠し資産があるという。ここにも、
わかりにくい特別会計という形で資産を蓄積しておきながら、一般会計の赤字だけを見せて
国民に負担増を求めるトリックがみられる。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/dfb6e8efa8002c89dbdfbb3b654fd58a



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